現代社会でEngegeの重要性と必要な支援
現代社会において、心の健康はこれまで以上に重要な課題となっています。厚生労働省の調査によれば、うつ病や不安障害といった精神疾患を抱える方は年々増加傾向にあり、職場におけるメンタルヘルス不調は、欠勤や休職、さらには離職といった形で企業活動全体に大きな影響を及ぼしています。私自身、心療内科医として日々診療に携わる中で、病気を抱える方々の苦しみや、治療に至るまでの道のりの険しさを強く実感してきました。病気が発症してからの治療はもちろん必要不可欠ですが、それと同時に、病気になる前に予防することの大切さを深く感じています。
産業医として企業と関わる中でも、同じような課題に直面してきました。産業医の役割は、単に健康診断や休職・復職の判定を行うことにとどまりません。従業員一人ひとりが心身の健康を維持し、自らの力を十分に発揮できる環境を整えることこそ、本質的な使命であると考えています。現場では、健康を「守る」だけでなく、働く人が「主体的に自分の仕事や人生に関わること」、すなわち「エンゲージ」することの重要性を日々実感しています。主体的に関わることは、仕事の充実感や組織の成長に直結しますが、それを実現するためには従業員一人の努力だけでは不十分です。そこには、従業員に寄り添い、時に支え、方向を示す「伴走者」の存在が不可欠であると痛感しています。当社はまさに、その伴走者として企業と働く人に寄り添い続けることを使命としています。
当社の理念の中心にある「エンゲージ」という言葉には、働く人が主体的に関わり、前向きに力を発揮していく未来をつくりたいという思いを込めています。その実現には、従業員が安心して働ける土台を整えると同時に、一人ひとりが持つ可能性を最大限に引き出す仕組みが欠かせません。
心の健康を「マイナスからゼロに戻すこと」だけにとどめるのではなく、「ゼロからプラスへと高めていくこと」。これは私たちが目指すもう一つの大切な方向性です。病気を未然に防ぐための対策を講じることはもちろん重要ですが、それに加えて、働く人がより高い集中力を発揮し、持続的に力を発揮できるよう支援することが、これからの時代に求められる価値であると考えています。
ここで活かすべきは、スポーツが持つ普遍的な特性です。スポーツの世界では、心身を整え、集中力を高め、限られた場面で最大の成果を出すことが求められます。この特性は、現代のビジネスや職場においても同じく重要です。成果が必要とされる場面で力を発揮できるように、日常から心身を整え、適切に休養し、集中できる環境を持つこと。その考え方を働く人や企業に応用することで、組織全体のパフォーマンスを高めることが可能になります。
今、企業に求められているのは「従業員の健康を守ること」と「組織の成果を高めること」の両立です。健康経営が注目を集める背景には、従業員への健康投資が単なる福利厚生ではなく、企業の生産性向上と持続的成長に直結するという現実があります。当社は、心療内科医としての専門性を基盤に、産業医としての現場経験を踏まえ、予防とパフォーマンス支援の両輪で企業を支援し、社会に貢献してまいります。
私たちの使命は、病気に苦しむ人を治療することはもちろん、病気を防ぐ仕組みを整え、さらに働く人が主体的に力を発揮できる環境をつくることです。その実現のために、当社は「伴走者」として常に現場に寄り添い、企業と働く人双方の未来を支え続けます。
東京Engageコンサルティングは、健康とパフォーマンスを両立させる新しいスタンダードを築き、すべての働く人と企業が前向きに結びつき、主体的に歩んでいける社会の実現を目指してまいります。どうぞ今後ともご支援賜りますようお願い申し上げます。
代表 宮部 湧仁
【経歴】
産業医科大学卒業。内科・心療内科修練。
産業医活動にも従事して2025年に労働衛生コンサルタント取得。
現在は複数の企業先の産業医として従事し、その他労働衛生コンサルタント、健康推進活動を行っている。