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2025年10月

ノルアド抑制して傾聴を ― 環境からつくる

上司との面談、部下との1on1、取引先との商談――。会話の中で、相手が急に早口になったり、語気が強まったりする瞬間はないでしょうか。それは、相手の脳内でノルアドレナリン(ノルアド)が急上昇しているサインです。 ノルアドは「覚醒・警戒・防御」を司る神経伝達物質。人は緊張や不安、評価への恐れを感じると、この物質が放出され、思考よりも防衛反応が優先されます(Aston-Jones & Cohen […]

心の疲れに気づく―「まだ大丈夫」と思う前に立ち止まる勇気を―

心の疲れは静かに進行する職場リスク 厚生労働省の調査(2023年)によると、「強いストレスを感じる」労働者は53.3%。一方で、「自分のストレスサインを把握していない」と回答した人も約4割にのぼります。 多くの人が「仕事だから」「みんな頑張っているから」と無意識に心身の限界を超え、結果として、集中力低下・ミス増加・休職へとつながるケースも少なくありません。 そこで今、企業と個人の両面から「セルフケ […]

締切前のノルアド活用術 ― プレッシャーを力に

締切が迫ると、心拍数が上がり、呼吸が浅くなり、焦りの気持ちが込み上げてくる。「時間が足りない」「頭が回らない」「もう無理かもしれない」――そんな瞬間、脳内では一気にノルアドレナリン(ノルアド)が放出されています。 ノルアドは、ストレス時に分泌される神経伝達物質で、覚醒と集中を高める一方、過剰になると判断力を奪います(Aston-Jones & Cohen, 2005)。つまり、締切前のパフ […]

休業者の職場復帰支援―「戻す」ではなく「支える」復職プロセスへ―

復職は“ゴール”ではなく“再スタート” メンタルヘルス不調による休業者は増加傾向にあります。厚生労働省の調査(2023年)によると、精神疾患による労災認定件数は過去最多の710件。また、企業の約4割が「メンタル不調者の復職支援に課題を感じている」と回答しています(こころの耳調査)。 実際に、復職後の再休職率は3〜4割ともいわれ、その多くは復職判断や業務負荷の調整が十分でなかったケースです。復職は会 […]

ラインケアで早期発見 ―気づく・声をかける・つなぐ、その一歩が職場を守る―

管理職が「最前線で担う」メンタルヘルス 職場のメンタルヘルス対策において、最も重要な役割を担うのは管理監督者(ライン)です。厚生労働省「労働安全衛生調査(2023年)」によると、仕事に強いストレスを感じる労働者は全体の約54%。その背景には、長時間労働や人間関係の希薄化だけでなく、上司が部下の不調に気づけず支援が遅れるという現場課題があります。 WHO「職場のメンタルヘルス対策ガイドライン」も、「 […]

ストレスチェック制度と集団分析・職場改善のフロー-集団実践法

数値ではなく「声」を見る制度へ 2015年に義務化されたストレスチェック制度は、今では多くの企業で年1回実施される仕組みとして定着しています。しかし、現場からは「形だけの実施になっている」「結果を活かせていない」という声も少なくありません。 厚生労働省によると、2023年時点でストレスチェックの実施率は約94%に達する一方、集団分析を活用して職場改善まで進めている企業は約4割にとどまります(出典: […]

セロトニンを高める職場朝活-environment change

朝のオフィス。出勤した瞬間に空気が張り詰めていたり、誰も口を開かずにパソコンに向かっていたりする――。そんな環境では、どれだけ自己管理を徹底しても、なぜか気分が落ち着かず、一日が重たく始まることがあります。 その理由のひとつが、脳内のセロトニン神経が環境要因によって抑制されていることです。セロトニンは「心の安定」や「他者との共感」をつかさどる神経伝達物質。個人の努力だけでなく、職場環境や人との関わ […]

職場のメンタルヘルス対策ガイドライン―WHOの提言 to action―

世界共通の課題「働く人のメンタルヘルス」 現代の働く環境では、心の不調はもはや個人の問題ではなく、世界的な公衆衛生課題とされています。WHO(世界保健機関)が2022年に発表した「職場のメンタルヘルス対策ガイドライン」では、職場におけるメンタルヘルスの促進と、精神疾患の予防・対応を包括的に示しています。 背景には、うつ病や不安障害による生産性低下が全世界で年間12兆ドル(約1,700兆円)規模の経 […]

職場のメンタルヘルス対策-全体MAP

働く人の「こころ」を守ることが、企業の力を守ること 現代の職場では、心の不調を抱える労働者が年々増加しています。厚生労働省の「労働安全衛生調査(2023年)」によると、仕事や職業生活に強いストレスを感じている労働者は約54%に上ります。業務の複雑化や人間関係の変化、テレワークによる孤立感など、ストレス要因は多様化しています。こうした状況の中で、メンタルヘルス対策は「福利厚生」ではなく「経営課題」と […]

昼休みのセロトニン補給 ― Lunch time strategy

「昼食後、眠くて集中できない」「午後になるとイライラしやすい」――そんな経験、ありませんか?その原因の一つが、脳内で「幸福ホルモン」とも呼ばれる セロトニン の不足です。 セロトニンは気分の安定、集中力、ストレス耐性に関わる神経伝達物質です。しかし、長時間の室内勤務や人工光下では分泌が低下しやすく、午後には「脳のガス欠」状態に陥りやすいことが知られています(Young & Leyton, […]

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産業医・メンタルヘルス支援のご相談について

東京産業医Engage事務所では、働く人の心身の健康を守り、企業が安心して事業を続けられる環境づくりをサポートしています。予防医学の視点を大切にしながら、従業員のメンタル不調や健康課題を早期に把握し、企業の実情に合わせた現実的で効果的な支援を行います。
法令対応だけでなく、日々の相談体制や管理職向けの助言など、現場で本当に必要とされる産業保健の仕組みづくりを丁寧に伴走することが私たちの役割です。 「何から相談すればいいのか分からない」という段階でも問題ありません。詳細につきましては以下よりご参照ください。

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